振動するローラー、ドクターエアストレッチロールとフォームローラーどう違う?効果は?

ぶるぶる震えるフォームローラーに足を乗せただけで・・何が起こる?

 

最近東急ハンズやビックカメラでも人気の振動するフォームローラー、ドクターエアシリーズ(公式サイト)。 ストレッチロール、マッサージロールの2種類がありますが、お手に取ってみた方もいるでしょうか。

震えるストレッチローラーと普通のフォームローラー

 

アスリートの間でも口コミで人気で、メジャーリーガーの上原浩治選手などウォーミングアップで震えるロールで筋肉をほぐす選手も出てきました。
さて、これらは従来の振動しない普通のフォームローラーと何が違うのでしょうか?

震えることで得られるその効果に私は注目しています。

先にお伝えすると、以前の記事でもご紹介させていただいた通り筋膜の癒着をべりべり剥がしてリリースするというようないわゆる「筋膜リリース」はどんな器具でも不可能です

巷では癒着を剥がして肩こりすっきりというような記事をみますが、フォームローラーを転がすぐらいで筋膜の組織が大きく変わることはありません。
*ちなみに筋膜リリースの「筋膜」という言葉の誤解はこちらをお読みください。
また、震えるフォームローラーでも普通のフォームローラーでも使用法を間違えると効果は期待できません。

以上を踏まえた上でこの二つのローラーの効果の違いを検証していきたいと思います

まずは震えない従来のフォームローラーから。

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フォームローラーの効果的な使い方とは?

フォームローラーでコロコロした時に、私たちの皮膚や筋肉では一体どんなことが起こっているのでしょうか。

体の中を覗いてみましょう。

こんなイメージです。

フォームローラーを転がすと刺激が起きる

刺激は筋肉の受容器(センサー)に働きかける

センサーから脳に伝達が行って、痛みを抑制し、筋肉を伸びやすくする。

つまりコロコロの刺激によって「感覚を変えて体を動かしやすくしてくれる」のです。

もう少し詳しく見ていきましょう

こちらはMLBのボストンレッドソックスのメディカルトレーナーだったMike Reinoldさんが筋肉のリリースについて書いた記事

マイク・レイノルドさん

 
私なりにわかりやすく解釈をしてまとめてみます。

彼はフォームローラーなどを使って筋肉をリリースする5つの効果的な方法(セルフマイオファッシアルリリース:通称SMR)を提案しています。

フォームローラーの効果と使い方を知る上で参考になります。

SMRというフォームローラーの使い方

方法その1、刺激を当てる面積を小さくする。

フォームローラーやボールを使って筋肉にアプローチする場合、当たる面積を小さくし、特定の感じる部位に当たるようにする。
これこそが当てている「感覚」を変えているということ。筋肉に当たる感覚が面積を小さくすることで部位が特定され意識しやすくなるので、感覚が変わりやすくなります。

ただ、当てる部位を小さくすることで特定の筋膜がリリースされるという事はありません。
あくまで「感じ方」が変わるということ。そして、こわばりなど問題を起こしている「感じ方」が変わるだけで筋肉はリリースされます。

フォームローラーの中でも表面がボコボコのものを使うと小さなボールと同じ効果が得られます。

方法その2、様々な角度で刺激を当てる。

筋肉に様々な方向からフォームローラーやボールを当てることで感覚が変化します。
筋肉の繊維に対して平行に当てるか、垂直に当てるかなど変化をつけることで、刺激にも変化がつき筋肉がリリースされやすくなります。
また、筋肉だけでなく皮膚の下にある筋膜もゆるむことで皮膚が伸びやすくなります。筋肉との相乗効果でリリース効果が得られます。
ただ、同じく癒着した筋膜が削げ落ちるというようなことではありません。
あくまで動きがよくなるというレベルです。

方法その3、当て続けて圧をかける

コロコロして硬さを感じる部位に10秒もしくはそれ以上圧をかけ続けます。そして、再びコロコロして他の硬さを感じる部位を見つけたら同じように圧をかけ続ける。これを繰り返します。

実はコロコロすること自体にはほとんど意味がありません。
コロコロすると当たる部位に連続して刺激が行って、神経の感じ方が変わるだけなのです。そして、圧をかけ続けると皮膚にある神経レセプターという感覚のセンサーが刺激をキャッチして脳へ伝達してくれます。それにより脳の感じ方も変わって、逆説的に体の感覚や可動域も変わるという仕組みです。

硬い部分に圧をかけ続けると、そこを集中して脳が意識することになり、感じ方も変わります。

方法その4、当てたまま動かしてやる

これには二つの目的があります。
一つはフォームローラーを当てたまま動かすことで、1〜3と同様に感じ方を変える。
もう一つは当てながら筋肉の収縮伸張を繰り返すことで、皮膚は動かさずに筋肉を動かす。そうすると、皮膚と筋肉の間の組織がなめらかに動くようになります。

主にはやはり感じ方の変化がメインの目的で、組織の変化はサブ。しかしながら、リリースには有効です。

方法その5、を当てながら当てている部位とは別の部位を動かす

例えば内太もも(内転筋)にフォームローラーを当てて膝の関節の曲げ伸ばしを繰り返す。こういったことも有効です。
膝の関節の曲げ伸ばしをする際には、様々な筋肉が連動して動きます。内太ももに刺激を入れながら、他の筋肉を動かすと全体が活性化するという効果を狙います。

以上がMike Reinoldさんの紹介するリリース法(SMR)です。

簡単に言うと、フォームローラーやボールを使って様々なアプローチで筋肉や皮膚などに刺激を入れ、「感じ方」を変えるということを行っています。アメリカのアスリートの世界ではよく行われているリリース法です。

 

ではこれに対して振動するドクターエアストレッチロールを使うとどうなるのか?

ドクターエアのストレッチロールやマッサージロールでやることはシンプル。

コリや痛みを感じるところで振動を当てて、振動を感じながら動かさずに1~3分ほどその状態で維持する。

それだけです。

これで、Mikeさんが提唱する5つの効果を全て得られてしまいます。

振動を与えることで、いろいろなアプローチでコロコロ動かすのと同様の効果が得られてしまう。また、自分で動かす必要がないので、一日の終わりなどの疲れた時には楽にコンディショニングができます。

何が違うのかというと当然ながら「振動」という刺激が入るのが一番の違いです。

振動が及ぼす体への効果のメカニズムが最近研究によってわかってきています。(研究1)(研究2

振動が筋肉に与えられると筋収縮の抑制をもらたし緊張を和らげます。
その結果、可動域が広がったり筋弛緩につながったりします。

圧の刺激も振動と同様に皮膚の神経レセプターで受け取られますが、圧という刺激よりも振動の方が素早く脳へ送られます。

つまり圧よりも感覚を変化させやすいということです。

具体的に振動で組織にどのように変化が起こるのでしょう?

実際のところ局所に振動をかけることによるしっかりとした研究はまだ発表されていません。
振動の刺激が体の位置の感覚や動きの感覚を担う固有感覚受容に影響する事は報告されています。そのため体の可動域や動きの変化は素早く出やすいです。

こちらは参考程度になりますが、振動ロールによる可動域の変化のデータです。

青のグラフが通常のフォームローラーですが、振動ロールの赤のグラフのほうが可動域は向上しています。

また筋膜の学会では、細胞間をつなぐタンパク質分子の流れをよくすることを推奨しています。振動を与えることで流動性を高めることも可能とも同学会で言われています。
また垂直方向の振動により組織の保湿に重要なヒアルロン酸の流れをよくする事も報告されています。(Roman et al 2013)
振動による刺激がコラーゲン繊維の元の活性を促すとも言われるため、主にコラーゲンで形成される筋骨格系、皮膚などの体の組織の維持にも役立つ可能性があるでしょう。

効果が出る時間と振動数

では、どのくらいの時間ぶるぶるするのが効果的でしょうか。

文献を探りましたが人体に対する研究は医学論文としては妥当なものはありませんでした。

人体以外ではいくつかありました。皮膚のセンサーと筋肉のセンサーでは反応が異なります。

ただ、どちらも効果を感じるのに35秒以上は必要なようです。 長ければいいというわけでもなく3分30秒くらい振動させると体のセンサーの反応は一定するようです。 ここから効果的な時間は35秒以上3分30秒以下と言えそうです。

効果関係なしに気持ちいいからという方には常識内でしたらもっと長くかけてもいいでしょう。

公式ページにあるドクターエアのマニュアルによると 左右の6-8箇所の部位を45秒ずつかけるとすると全部で10分前後で終了できます。 コンディショニングの時間としてはほど良いのではないでしょうか?

また、どのくらいの振動が効果があるのかも気になるところです。

こちらは振動するローラーの研究がほぼないために全身振動の研究などしかありませんが、30Hzから80Hzで反応があるようです。
ドクターエアのストレッチロール、マッサージロール共に振動は調節可能で35Hzから66Hzの振動数になっているので、体に適応する数値に設定されていることになります。

フォームローラーとドクターエアストレッチローラーどっちを選ぶ?

痛みの感覚を和らげたいという程度なら通常のフォームローラーのほうが安価です。

しかし、コンディショニングが目的で時間や労力をあまりかけずに効果をあげたいというならドクターエアのストレッチロール(公式サイトで購入できます) は一考の価値があると思います.

また、しつこい足底筋膜炎や肩こり、腰痛など痛みに悩む人も簡単に何度も組織にアプローチできるのでいいでしょう。
楽にコンディショニングしたいという人は上から座るだけでも振動が効くので、寝る前にオススメです。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/5942033
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/4254073
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3737908/

研究1 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1189743/
研究2 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/154563

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