ウォーミングアップに必要な二つの準備とは?動的ストレッチだけで本当に足りる?

最適なウォーミングアップとは?

近年、ウォーミングアップとしては静的ストレッチは効かないという研究が多数出てきたせいか、運動前には動的ストレッチというのがスタンダードになってきました。 (ストレッチの効果についてはこの記事を参考に)

健康雑誌や専門誌でも運動前のウォーミングアップは動的ストレッチがいいと紹介され、「運動前は動的ストレッチやっとけばいいんじゃない?」という風潮も出始めています。

しかし、本当に動的ストレッチだけで十分なのでしょうか? 検証していきます。

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動的ストレッチだけでウォーミングアップは十分なのか?

まずは、こちらのジュニアテニスプレーヤーの研究報告から(参照1)

被験者が少なめですが、通常の静的ストレッチからウォーミングアップをしたのと動的ストレッチからのウォーミングアップをしたのを比較した研究です。結果は、動的なストレッチを加えた方がジャンプなどのパフォーマンスは向上したが、60分の長時間でのゲームでは大きな変化はなかったと。

次に、青少年を対象にしたこちらのレビュー(参照2)

結果は、動的なウォーミングアップが一番障害予防になったとのことでした。また動的ストレッチには筋トレ、バランストレ、競技特性の動き、小刻みなステップ(アジリティ)、ランディングテクニックなどを組み合わせるのが好ましいとしています。

最後にこちらの報告(参照3)

ウォーミングアップは試合、練習前15分以内に行うのが効果的だとしています。

論文検索でリサーチをすると、ウォーミングアップに関しては動的なストレッチがいいですよ!という報告が多いです。しかしながら比較対象が基本的に静的ストレッチだけであったり、疑問が残る部分が多い文献がほとんど。

総合的に判断をすると

1、動的ストレッチは静的ストレッチよりもウォーミングアップとして適しているけど、動的ストレッチのみでは不十分。

2、「何をやるか?」も大事ですが「いつやるか?」というのも大変重要。

と私は思います。

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ウォーミングアップの大きな二つ目的とは?

ウォーミングアップの目的は

1、心肺系の準備

2、神経系の準備

この主に二つです。

心肺系の準備には体温の上昇が必要です。 体温の上昇により

1、筋肉の血液循環

2、神経系の活性化

3、ヘモグロビンとミオグロビンの酸素の解離の向上

4、神経伝達スピードの向上

5、軟部組織の粘弾性の低下と間質液流動の向上

というスポーツのパフォーマンスにおいて有益な効果がもたらされます。

こういった効果があるので、ある程度の強度で心拍数が上がるようにウォーミングアップしなければなりません。

どうしてもダラダラと行いがちですが、楽なアップでは心肺系の準備には不十分です。

また、神経系には運動する際に(今からこういう動きをして、こういう動きに対応するんだ)という認知が必要です。

そのために「FITTの原則」を押さえる必要があります。

これは、神経系の動きはFrequency(頻度)、Intennsity(強度)、Time(時間)、Type of exercise(競技特性)の4つの要素からなるという原則です。

F=体のスイッチを入れる適切な頻度

I=競技の動きに必要な強度

T=疲労せずに神経を活性化させる適切な時間

T=実際の競技の動きを感知する力

の4つが神経系の準備には必要になります。

これらを押さえることで、神経系の改善が行われます。

それに加えて個人的にはVariability(動きの多様性)も入れておきたいです。

運動や競技は予期せぬ事が多々起きてきます。

・色々な角度に足を伸ばして着地をする

・体をひねってみる

・強度を加えて複雑に動いてみる

・裸足でざらざらの地面で動いてみる

・バランスの悪いところで複雑な動きをしてみる。

こういった様々な感覚を入れて運動の準備をするのも必要な要素かと思います。

まとめ

ウォーミングアップは動的ストレッチが静的ストレッチより効果的であるが、動的ストレッチだけでは心肺系と神経系の準備としては不十分

ウォーミングアップという目的では、動的ストレッチに加えて心肺がアップする強度のある運動、神経系の準備に動的ストレッチに加えて軽い筋トレ、バランストレ、小刻みなステップ(アジリティ)、競技の動き、動きの多様性を入れてやるのが好ましいでしょう。

 

色々とご紹介してみましたが実際こちらの2355の文献のレビューではウォーミングアップとスポーツパフォーマンス、障害の予防の関係性は未だにクリアではないと。。。(参照4)

研究というのは統計学で生理学的に辻褄があっても統計では個人個人で差異がでてしまうので矛盾がでてきてしまいます。

実際昔の選手みたいにアップをしなくてもものすごいパフォーマンスを発揮したり、怪我を全くしなかったりする選手もいますし、近代スポーツ科学を否定する方々は原始人は狩りをするときにアップなんかしないだろという極論を言う人もいます。

しかし。。 転ばぬ先の杖。

有益な可能性があり、できることがあれば運動を快適に行うためには適切なウォーミングアップは重要なのではないでしょうか?

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(1)Acute and Time-Course Effects of Traditional and Dynamic Warm-Up Routines in Young Elite Junior Tennis Players 2016

(2)Components of a Proper Warm-up For Active Adolescents: A Literature Review 2016

(3)Warm-up and stretching in the prevention of muscular injury. 2007

(4)The effects of warm-up on physical performance are not clear 2010

 

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