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BCAAのホントの効果どこまでご存知ですか?

「運動前にBCAA摂ると調子がいいって聞くから摂っているんだよね」

そんな人が、トップアスリートも含め多くみえます。

でも、BCAAのホントどこまでご存知ですか?

「BCAA」つまりBranched Chain Amino Acid、分鎖アミノ酸。バリン、ロイシン、イソロイシンを基本としたアミノ酸の事ですが、多くの方は疲労回復や筋肉のリカバリーの目的でサプリメントとして摂取しているかと思います。
巷で謳われていてトレーニーの間でも浸透しているのが、プロテインよりもアミノ酸まで分解されているから吸収がいいということぐらいでしょうか?

主に言われている効果は、ロイシンは筋たんぱく質の再合成、イソロイシンは細胞からグルコースを取り込むのをサポートし細胞レベルの回復を助ける、バリンに関しては確証されたものが言及されていません。
BCAAトータルとしては、運動による漿液アミノ酸、(トリプトファンなど)減少を防ぎ疲労を軽減させるというところ。

その他にBCAAの効果に言及した論文としては

運動前の摂取は乳酸値を低下させ、酸化を防ぐ「かも」しれない。(Mittleman KD et al 1998)
成長ホルモンの放出を上げ筋肉の成長を助長する「かも」しれない (De Palo EF et al 2001)
血漿クレアチンキナーゼの減少による筋肉のダメージを防ぐ「かも」しれない(Coombes JS, McNaughton LR 2000).

というもの。

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では、BCAAの何が大事なのか?

色々と効果が謳われる中で、BCAAの摂取で一番重要な事はなんといっても、「ロイシンの筋たんぱく質の再合成」です。
筋細胞の筋たんぱく質による再合成はインシュリンによって活性化されますが、再合成の為にどれだけロイシンがあるのか?
すなわち運動でBCAAは失われるので事前に筋肉の再合成の為にロイシンのレベルをキープする!というのが一番のポイントなのです。

となるとBCAAではなくロイシンだけ摂ったら?
そう思う方も多いかと思いますが、たんぱく質のリカバリーや再合成に必要なロイシンだけを摂ると脳のトリプトファン、セロトニンレベルを低下させる恐れがあることが言われています。
なのでBCAAとしてバランスよく摂取するには理由がそれなりの理由があるようです。

効果抜群のBCAA。ではサプリメント摂取は本当に必要なのか?

実のところ体重1Kgに対して1-1.5g分のタンパク質を摂取していればBCAAはほとんど意味がありません

日常的にBCAAの元となるたんぱく質を摂取していると、血漿レベルで直接担保され、運動時の筋たんぱく質の再合成には充分な量をカバーできます。
そのため、しっかりと日常から必要なたんぱく質量を摂取していれば問題ないというのが現在の研究などからの見地です。Mourier A1Int J Sports Med. 1997 Jan;18(1):47-55.

では摂るとしたらいつ?どのくらい?

実際にBCAAを摂取して主観的に効果を実感しているといういるアスリートの摂取の量とタイミングの例をご紹介します。

摂取量
厚生労働省が策定した日本人の食事摂取基準によると
一般の運動をしない成人で体重1㎏に対して1日バリン26㎎・ロイシン39㎎・イソロイシン20㎎の計85㎎が摂取目安となっています。
体重60kgの方で5100mgとなります。

サプリメントとして摂取する場合は食事で摂取するタンパク質量、運動強度を考慮して補助として量を調節してください。
過剰摂取は腎機能障害に繋がる可能性もありますので注意が必要です。
何事も過ぎたるは及ばざるが如しです!

タイミング
摂取後30分〜1時間で血中アミノ酸濃度が高くなりその後に低下してくるため、タイミングとしては運動前後がベストです。
また回復状態で起床時や睡眠前に摂取するのも一考の価値ありです。
試合や競技中もサッカーであればハーフタイムにマラソンであれば吸水時などに摂取するアスリートも多いです。

格闘技選手の例
1、運動30分前に5g
2、運動直後に5g
3、就寝前に5g
を水やスポーツドリンクに混ぜて摂取。

こんな感じで摂る人が多いです。

どんなBCAAがお勧め?

できる限りピュアで吸収力の良いものがベストですが、このあたりは個人の嗜好、コストパフォーマンスによりチョイスが異なる為に深く言及するのは避けます。
ただ、規制のゆるい国で製造されたものは不純物が入りドーピングに引っかかったりする可能性もある為に競技者は注意が必要です。
また原材料の明記がないものは吸収力が低い材料で作られている可能性があるので、安いからとすぐに飛びつかず製造元に原材料を確認するといいでしょう。

まとめ

  • BCAAは運動時の筋たんぱく質の再合成に非常に訳に立つ。
  • その中でもロイシンは重要な役割を持つ。しかしロイシンのみの過剰摂取は脳にダメージを与える可能性がある。
  • 日常でたんぱく質をしっかり摂っていればサプリメントとしては必要なし!
  • サプリメントとして摂取するなら1日のタンパク質摂取量や運動強度を考慮して運動前後などに摂取すべし!

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追記  BCAA摂取で眠れなくなる?神経の高ぶりを引き起こすのか?

BCAAは筋タンパク質の再合成を促し筋肉のリカバリーには有益かもしれないが、神経的に疲労しパフォーマンスを落とす可能性がある?

筋肉のリカバリーを目的にBCAAをほぼ毎日摂取しているトレーニング愛好家もいるかと思います。

しかしながら、慢性的にBCAAのサプリメントを摂取しすぎている人はいわゆるニューロロジカル オーバートレーニング(神経的オーバートレーニング)、CNSファティーグ(中枢神経疲労) を引き起こしている可能性があるとのこと(1)。

ロイシンと脳のダメージは簡単にご紹介しましたが、少し詳しく。

当然のように筋肉も神経系の伝達によって働きます。脳からこう動け~という神経の興奮の 指令が入ってようやく体が動き運動をすることができます。

そして体を動かすためには神経の興奮とともに神経の抑制、沈静も必要になってきます。 車のエンジンとラジエーターと思ってください。興奮しっぱなしでは体が絶えずビクビクしてしまいます。

しかし、BCAAを摂取することでその抑制、沈静を担うセロトニンの元であるトリプトファンが血管から脳へ取り込むのを阻害する可能性があります。

そのため、CNSファティーグという神経の疲労を引き起こすとのことです。 神経の疲労により不眠、やる気の減退、精神疲労などの悪影響が起こるという悪しきサイクルに入ってしまいます。

ロイシンを多く摂取することそうしたことが起こる可能性があるとお伝えしましたが、ロイシンが入っていない BCAAはありえません。

ではどうしたらいいのか? ロイシンと同率のチロシンを摂取するといいという論文がありました(2 )。

チロシンの効果でロイシンによる阻害を補完するんですね。

チロシンを多く含む食材は以下です(参考 フードポケット)

http://foodpocket.jp/eiyou-seibunn/chiroshinn/

やはりサプリメントですからあくまで「不足分を補う」という目的で摂取しないといけませんね。

(1)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3509520/

(2)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9623632 http://epublications.marquette.edu/biomedsci_fac/21/ http://jn.nutrition.org/content/135/6/1591S.full

 

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