ニーインは膝の痛みの原因ではない!?「筋肉を鍛えて膝の痛みを治せ」定説を検証する

膝の痛みの原因とよく言われるニーインの状態。

こんな状態です。

いわゆる「膝が内側に入ってしまった」状態です。

軸が歪んでしまっているので、膝に負担がかかりやすく痛みが出ると言われます。

また、この状態のままスクワット動作などをするのもよくなく、トレーニーには放置しておけない問題でしょう。

さて、このニーインから来る膝の痛みですが、どのようにすれば治るのでしょうか。

スポンサードリンク



「膝の痛みは筋肉を鍛えて治せ」は本当か?

 

さて、ニーインから来る膝の痛みというと「筋肉を鍛えて固めて治せ」なんて言われます。

よく鍛えろ!と言われているのが膝の内側。

膝へと続く4つの筋線維でできているのが大腿四頭筋。この内側を鍛えろなんて言われます。

膝の内側のエクササイズでよく見るのはこのタオルを膝の下にいれて床側に押すやつですね。

https://myhealth.alberta.ca/Health/Pages/conditions.aspx?hwid=ut1197

膝のリハビリの中初期によく用いられるエクササイズです。
主に鍛えているのはVMOと言われる内側広筋です。

なぜこのエクササイズが良いとされているのでしょうか?

膝の痛みで多いのがニーインから来る膝蓋大腿疼痛症候群(PFPS)という小難しい名前の症状です。
実際にこのPFPSで膝が痛い人は膝の外側が強く、内側が弱いと言われています。

またこの症状の人は膝の内側の筋肉が廃用(痩せて細くなっている)しているとも言われます。
そのため膝の内側を使うであろうこのエクササイズが勧められるわけです。
しかしながら膝の内側の筋肉を鍛える事で痛みが消えるかというと実はNOです。

 

なぜかというのを説明しましょう。

理由その1、実は膝の内側だけを鍛えることは難しいから

いくつかの研究で膝の内側を特定して鍛えようと試みているものも確かに存在します。
好結果が得られた研究もありますが、体の動きの中で膝の内側だけを使用するというのは実は難しいものがあります。

痛みのために弱くなってしまった膝の内側を使うことは結果としてできます。
しかし内側だけを鍛えて痛みを改善するということには残念ながら直結しません。

 

理由その2、膝の内側が弱いから痛いというわけではない

膝が痛い人というのは、結果的に膝の内側が弱くなっているという事実。
実は、痛いという動作を避けるうちにだんだんと膝の内側を使わないようになっていってしまった可能性もあります。
ニーインという状態により膝のアングルが変わり膝の内側が活動しにくい状態になってしまっているケースも多いです。

膝を曲げ伸ばしをする際、膝のお皿は上下にシンプルに動くのではなく、膝の関節の面が複雑な構造をしているために波打つように動きます。

また、太ももの筋肉の引っ張りによりうまくお皿が滑るように調整されています。
このお皿の動きがずれてくるようなのをトラッキングと言います。

膝が痛い方は、このお皿の外側へのトラッキングが起こっているケースが多く報告されています。

つまり膝が痛い人によく勧められる膝の内側を鍛えるエクササイズは、このトラッキングを改善するための運動です。
ですのでトラッキングの問題は改善が見込める可能性がありますが、それで膝の痛みという問題が改善するわけでは必ずしもありません。

 

スポンサードリンク



そもそもニーインの状態は膝の痛みの主な原因?

こう考えて来るとニーインが膝の痛みの原因だというのも怪しく思えて来ます

実は、ニーインの状態が痛みの原因に直結するという見解も今のところないのです。

ニーインの状態でも膝の痛みを伴わないケースも多いです。

ニーインの状態は膝だけでなく関節の連動とも関係しています。運動時などは足関節、股関節の影響も大きく受けます。また膝の靭帯の状態でも変化します。
ニーインの状態はエクササイズや意識付けで変わる可能性が大きいですが、ニーインが改善しても実は膝の痛み自体が変わることは期待できません。

つまり、痛いという状態や動きの癖がついたら、ニーインがどうのこうの関係なく痛いのです。

定説である「ニーインだから膝が痛いというのは怪しい」と言えます。

 

ではどうすれば良いか?
1、まずは膝の動きをよくするためにトラッキングの問題を解決する
膝を押し込むエクササイズを試しても良いですし、普段からお皿を8方向に動かしてやるのも良いかと思います。

2、可動出来る範囲で動かす。
一番いけないのは動かさないことです。過去の痛いという記憶から痛みを避けてしまいますが、鏡などを見ながら出来る動作を少しずつ増やし、よりダイナミックな動きをしていきましょう。痛いという感覚がなく動けるという成功体験のようなものを体に覚えさせましょう。
賛否両論あるかと思いますが、兎にも角にもスクワットというのもありとは思います。

3、膝の関節周りの感覚を繊細にする
一度怪我をしたり痛みを感じると体の感覚を鈍磨させます。体はいろいろな反応を素早くする必要があり、その感覚が鈍ってしまうと筋肉の活動も変化させてしまいます。
コンプレフロス振動ロール、フォームローラーなどを活用しましょう。

 

4、もっとも大事なことは痛みを感じるという状態を改善することです
それはシンプルに睡眠不足や食事の不摂生のような生活習慣であったり、日々の疲労回復がうまくいっていない、ストレスが多い。そんな痛みを感じやすいという状態を改善しなければ痛みを改善することはできません。

 

とにかく膝は関節の構造も複雑で痛くなると本当に厄介です。
痛みなく運動できるように適切に痛みをとってやりましょう。

もちろん整形外科的な問題がないということが前提ですので、膝が抜ける。音が鳴る。痛みが強い。腫れが引かないなどという方は必ず病院で受診してください。

スポンサードリンク



追記

アメリカのトレーナー協会の勧めでは膝の痛い方へ2つのエクササイズを勧めています。

極めてシンプル。

1、非荷重で45度~90度の角度でレッグエクステンション。 

 

2、荷重での45度のパーシャルスクワット

 

の二点です。

主に大腿四頭筋の強化が目的のようですが、とにかく使う事。

筋肉が使われない。また使いにくい状態だと筋肉自体が痩せてきてしまいます。

すると関節運動を担う筋肉のサポートが低下してしまします。 痛みが長引いていたら安静よりもできる限りで動く。

これが大事です。

(参考文献)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21487120

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21487120
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9934418

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9934418

 

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


最新記事

  1. 膝の痛みの原因とよく言われるニーインの状態。こんな状態です。いわゆる「膝が内側に入ってし…
  2. 今回は意外に知られていないけれども重要な栄養素「亜鉛」のお話です。亜鉛と聞いて、みなさん何を思い…
  3. 運動をする人であればつきまとう「筋肉痛」問題。特にハードトレーニーは筋肉痛のコントロールもうまく…

ピックアップ記事

  1. 今回は意外に知られていないけれども重要な栄養素「亜鉛」のお話です。亜鉛と聞いて、みなさん何を思い…
  2. 運動をする人であればつきまとう「筋肉痛」問題。特にハードトレーニーは筋肉痛のコントロールもうまく…
  3. マッサージって効くの? セルフマッサージでも効果がある?俗に言われる筋膜リリースでは代わりにならない…
PAGE TOP