亜鉛で精力増強は本当? 誤解されがちな亜鉛の真の効果と実力を解説!

今回は意外に知られていないけれども重要な栄養素「亜鉛」のお話です。

亜鉛と聞いて、みなさん何を思い浮かべるでしょうか?
精力増強に効く・・とか。

亜鉛不足だとか味覚障害になる??

なんていうのはかろうじて聞いたことがあるでしょうか。

海外の研究者の間では今、亜鉛の重要性がよく言われるのですが、国内では今ひとつ話を聞きません。

 

しかしながら、実は亜鉛は必須ミネラルの一つでもあり体内で重要な働きをする栄養素です。

アスリートにとってはタンパク質の合成や新陳代謝など極めて重要な役割を持っています。

あまり知られていない感じがしますが、実はカルシウムもカルシウム6:マグネシウム3:亜鉛1という割合で摂取しないと十分に吸収がされません。高齢者の骨粗鬆症が問題になる中、こうした情報はとても大切かと思います。

精力増強ばかりが強調されて誤解されがちな亜鉛の本当の効果を論文やエビデンスも交えて、今回はご紹介いたします。

 

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アスリートには亜鉛欠乏が多い?

欧米ではスポーツの現場で亜鉛が重要視されてきています。
アメリカではこのような簡易な亜鉛欠乏をチェックするキットがあり、数多くのチームで定期的に亜鉛欠乏をチェックしています。

激しい運動をするアスリートは発汗やトレーニングの疲労によって亜鉛が失われがちです。

定期的にチェックをしないと亜鉛不足になっていることに気が付けないことも多々あります。
また、広く知っていただきたい事は子供に亜鉛欠乏が多いという事実です。
運動をする子供は特に必須の栄養素という認識が広がってほしいものです。

 

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亜鉛の機能とはどんなもの?

亜鉛には多様な機能がありますが、まず運動との関係から見ていきます。

 

亜鉛が神経系に及ぼす影響

亜鉛は神経の調節器として重要な役割を担っています。

体は動いたり感じたりする際に神経の伝達を行います。
外から刺激が入ると、亜鉛も含む伝達物質が神経に放出されて筋肉が動いたり、感覚を感じたりするわけです。
運動をする際には日常生活より多くの刺激を受け取ります。

筋肉を動かす、足が接地する、目を動かす、触れた感覚を感じる、など多くの神経の伝達が必要になります。その際に必要なのが神経を伝達する物質です。

体は勝手に動いているわけではなく、脳の命令によって神経に動けという指令が走り、そのためには多くの神経伝達物質が必要になるというわけですね。亜鉛はその一つになります。

神経が伝達される際、興奮と抑制の二種類の情報が伝えられます。がんばれ!というのとまあまあ・・抑えときなという部分が一緒に伝えられます。

興奮を伝達する物質にはグルタミンなどがありますが、亜鉛はそのグルタミンの調整役として働きます。
スポーツでは興奮も抑制もめまぐるしく切り替わっていくので、調整役としての亜鉛の役割も大きくなります。

これを理解して補充をしていないと亜鉛を含む神経伝達物質が不足気味になり、体がうまく動かせなくなります。

 

一番重要な酸化ストレスと免疫機能

神経伝達の機能も重要なのですが、欧米の多くのスポーツチームで亜鉛が推奨される一番の理由は抗酸化作用と免疫に対する効果でしょう。

「体が錆びる」と表現されるように、運動をすると酸素消費により酸化ストレスが過剰に加わります。
酸化ストレスとは過剰に発生した活性酸素により細胞が傷ついている状態です。

激しい運動や疲労などの炎症時には過剰な活性酸素が発生しますが、その濃度が細胞の無毒化能力を上回ると、細胞内が激しく酸化され深刻なダメージを受けます。

亜鉛はこの酸化を食い止める作用があるため、激しい運動をする人には必須の栄養なのです

また、亜鉛が不足するとT細胞という体に有害物が入る際のガードマン的な細胞の数が減少します。

実はアスリートは風邪をひきやすいというデータがありますが、亜鉛欠乏がその原因と提唱する専門家もいます。
さらに亜鉛は骨の再合成、組織のケガからの修復、炎症を抑えるなどの役割も担うとされています。

このように亜鉛は体のコンディションを保つために多様かつ重要な働きをしています。

 

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精神安定剤としての効果

亜鉛は精神にも作用をします。
亜鉛の効果として最も強いエビデンスがあるのは実は精神安定としての効果。

亜鉛は幸せホルモンとして知られるセロトニンを脳に伝達する手伝いをしています。
うつ状態の患者は血中の亜鉛レベルが低下していて、セロトニンレベルもそれに伴って低下しているという報告もあります。
また、上記でご説明した通り亜鉛は神経の伝達に大きな役割を担っていて興奮を抑える働きもあるため、過剰な精神的なストレスがかかった時には、それを抑える働きもしてくれます。

 

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亜鉛で精力増進するは本当?

亜鉛と聞くと日本ではなぜか精力増強効果ばかりが喧伝されています。これも実際のところはどうなのか見ていきましょう。

亜鉛摂取により男性ホルモンの一種であるテストステロンレベルは向上するデータはあることはあるのですが、実は精力増強の効果は明白になっていません。

精力増強を謳う人のロジックは亜鉛欠乏により男性ホルモンの伝達が阻害され結果的にテストステロンレベルが下がるというものかと思います。

また亜鉛欠乏により精子の活動が低下するという研究も発表されていますが、一番精力を維持する方法は適切な睡眠、運動、体重コントロールで、こちらのほうがはるかに影響が大きいです。

亜鉛摂取よりも質のいい睡眠をとるほうがはるかに精力には影響があるでしょう。

誤解があるかと思うのですが、亜鉛を摂取すると精力が増進するというのではなく欠乏すると精力に影響するというイメージです。

ですので、まず睡眠を含めた日常生活を健康的に維持して、さらに亜鉛が不足しないように気をつけるという順番で考えるのが一番の精力増進になることでしょう。

 

では、どのように亜鉛を摂取すればいいのか?

 

このように話すと「じゃあ亜鉛を食事でとるなら何がいい?」とよく聞かれますが、食事で摂取するなら広く知られている牡蠣などの魚介類がよいかと思います。

しかしながら、激しい運動する人などは食事からでは十分な量が足りない可能性もあるのでサプリメント摂取も必要になるでしょう。

日本国内で亜鉛単体のサプリメントは非常に少ないので海外の個人輸入サイトやAmazonの並行輸入品などをで購入するのもおすすめなのですが、購入時には注意してもらいたいことがあります。

 

摂取量のトリック。
海外のサプリメントは表記が日本のものと違って一日の摂取量だったり、一回で何錠も飲む必要があるサプリメントもあります。ですので、一回あたり5-10mg~25-45mgの範囲で摂取できるようなものにしましょう。また極端に配合量が多く摂取する錠が少ない場合は、もしかしたら表記が間違っていたりするので注意しましょう。

吸収率のトリック
亜鉛はその種類で吸収率が大きく変わってきます。
これはカルシウムなどでもそうですが、質の悪い原材料から製造したサプリメントでは吸収も悪くせっかくの栄養が足りない場合もあります。
成分表をみて以下の表記をチェックしてください。この順番で吸収率が高くなっています。
Zinc citrate >Zinc sulfate >Zinc gluconate

亜鉛と一緒に摂りたいサプリ

さらに効果を高めるためには亜鉛と一緒に摂っておくといいサプリもあります。

ビタミンB6
ビタミンB6は亜鉛が体内で適切に吸収されるように働きかける役割があります。亜鉛とビタミンB6を一緒に摂ることでより吸収されやすくなります。

 

鉄、銅
女性アスリートには必須の栄養素とされていますが、実は男性アスリートにも欠乏傾向があります。
鉄欠乏になると亜鉛の吸収が低下してしまうために、鉄欠乏になりやすいアスリートは血中の鉄分の状態を見ながら同時に摂取すると良いでしょう。
微量ミネラルである銅も同様に運動により欠乏しやすいのでお勧めです。

まとめ

亜鉛は軽視されている栄養素の一つですが、アスリートのみならず一般の方でも不足しがちな栄養素です。不足すると体が動かない、風邪をひきやすい、落ち込みやすいなどいろんな影響が出やすいので、心当たりのある方は意識的に摂取することをおすすめします。

また、激しい運動をする人には必須の栄養素と言えるでしょう。

ただ、精力がつくと亜鉛を過剰に摂取するのは効果は疑問です。運動をしてぐっすり眠るほうがはるかに精力は増強されるかと思いますので、夜更かししないで早く寝るほうがコストパフォーマンスもいいことでしょう。

参考文献 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3547541 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10919964 http://www.who.int/whr/2002/chapter4/en/ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20689416 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18054190 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18385818 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19278731 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16648789 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30129823/ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11897880/ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9644092/

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