マッサージの効果について科学的な見地から解説!筋膜リリースとの違いについても

マッサージって効くの? セルフマッサージでも効果がある?俗に言われる筋膜リリースでは代わりにならない? マッサージのあらゆる疑問にお答えします。

街に出ると60分2980円! ほぐしマッサージ! 癒しマッサージ! マッサージで~解決!

マッサージ店があふれています。

世界中どこの国に行っても日本ほどマッサージ店が多い国はありません。

人々が疲れているのか? マッサージ好きの国民性なのか? 

もしくは腰痛改善などの特定の効果を期待してリピートするのか?

また、その種類もスポーツマッサージ、アロママッサージ、指圧マッサージなど実に多様です。

一体なぜこれほどマッサージが人気なのか?

今回はマッサージの実際のところを文献と共に紹介します。

 

しかしながら、まずお伝えしておきたいのは、マッサージというのは医学的な検証が難しいものだということです。

なぜなら術者によってやり方が異なり、押す力や手法も違い、体の中の変化を統一して検証するということがしにくいのです。

何々マッサージを行ったからこんな症状が良くなったと端的に言い切れるような、医学的な変化は見えにくいということはご了承ください。

 

まず、マッサージでみなさんが感じている効果は何か?

研究の見地からではなく、みなさんがどう感じているかというアンケートを参考にさせていただくと

https://caresapo.com/pages/information/research/1021/

マッサージには「リラックス」や「こりをほぐす」と目的で行かれる方が多いようです。

実は私もマッサージのヘビーユーザーです。

心地よくて気分がリフレッシュできます。

そのリフレッシュ、リラックスというのが私の目的です。

そのようなリラックス目的の方も多いようですが、体の硬結(コリ)を改善してほしいという方も多いようですね。

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研究から見たマッサージで得られる効果

では、研究的にはマッサージで得られる効果は客観的にどのようなものでしょうか?

 

前提として重要なのが刺激の程度です。

弱すぎる刺激や強い刺激ではなく「ほどよい刺激」が効果が高いようです。

ほどよい刺激で得られる効果としては

1、痛みの緩和

2、心拍の安定とストレスホルモンの低下

3、免疫力への効果

があると言われています。

 

これらの効果が得られるメカニズムの考察もあります。

順番にみて行きましょう。

1、痛みの緩和

これは昔から「ゲートコントロール理論」という説明がされています。

ゲームコントロール理論では、痛みを「ゲート」という視点で考えます。痛いというゲートをマッサージの刺激により閉じ、感覚を変えてやることで痛みを感じにくい状態にします。

痛いという感覚は主観的なものなので、本人が痛いと感じたら痛いものです。

その痛みをゲートのコントロールで感じなくすることで一過性ですが痛みを解消します。

マッサージで痛みがなくなるのは一過性とよく言われるのは、このあたりから来ているのかもしれません。

 

最近は、痛みを感じやすい場所(例えば背骨の関節や腰)には自由神経終末という触覚や痛みを感知するセンサーが存在し、その自由神経終末へマッサージ刺激を加えるとによって、感覚を変化させて痛みを緩和させているという事も言われています。

 

2、心拍の安定やストレスの緩和

次は、心拍の安定やストレスの緩和について。

これらは迷走神経トーンの変化によって起こると言われています。

迷走神経とは聞き慣れない言葉かもしれませんが、脳神経の一つです。主に副交感神経からなり心拍の調整や内臓を動かしたり、ホルモンの分泌など多くの機能を担っている神経です。

マッサージによって、この迷走神経のトーンが変化すると心拍が安定したりストレスが緩和します。

結果、リラックス状態をもらたしてくれると考えられています。

 

3、免疫力への効果

次は気になる人も多いでしょう。免疫力への影響について。

これはマッサージにより、ナチュラルキラー細胞の活動が活性化するためと言われています。

ナチュラルキラー細胞はよく知られているように、ウイルスなどの外敵が来た時に体を守るために戦ってくれる細胞です。

マッサージの刺激によりナチュラルキラー細胞が活性化し免疫力が高まるという人もいます。しかし、ナチュラルキラー細胞の活動はかなり複雑なため、諸説の議論が戦われている状態でもあります。

 

といったところが研究の見地で見たときのマッサージの効果ですが、では、多くの方が求める体の「コリ」への効果はどうなんでしょう?

 

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本命「コリ」への効果はいかに?

言葉としてはよく使われますが、そもそも「コリ」とはどんなものを指すのでしょうか?

実は体のコリというものは定義として完全に明確になっているものではありません。

かつては虚血などから起こる筋肉の硬結などと言われていました。しかし、エコーでよく観察すると、実際に筋肉の形状が変化しているものもあれば、特に状態が変わらないケースも多く見られます。

形状が変化しているケースでは、筋肉の線維レベルでの強い負荷や過剰疲労により血管が圧縮し、組織へのエネルギー供給が低下。痛みに敏感になっている部分があります。

その場合は局所に加わる負荷や過剰な疲労になっている状態を改善しなければコリを繰り返してしまいます。

例えばデスクワークにおいては肩甲骨を絶えず安定させていますので、肩甲骨周りの特に肩甲挙筋、菱形筋などは過負荷になりやすくなります。

これらはよく肩こりを感じる部位でもありますね。

 

もしくは過去の怪我や過剰な活動により組織が線維状に硬くなるという状態もあります。

筋肉にも水分がありますし、その周りには筋膜と誤訳されているFasciaも存在します。その性状の変化により「コリ」のような状態になっているとも言われています。

コリにも主観的な部分があり、スティッフネス、つまり筋肉に硬さを感じるというのでエコーで見てみたら実はどうもなっていなかったという研究もあります。

と考えていくと「コリ」というものを改善するには、ぐりぐり揉むのではなく「ほどよい刺激」で筋肉内やFasciaの水分などの性状を変えてやる、もしくは感覚を変えてやるというのが効果的かと私は考えます。

 

「コリ」を何とかしたい!!から強く揉まれないといけない!と思っている方は要注意です。

強く揉まれるという感覚が慢性的になってしまうと、その刺激にも慣れてしまいます。

その結果、強い刺激を求めてコリを感じ続けるという悪いサイクルを繰り返してしまいます。

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マッサージでスポーツのパフォーマンスが上がる?

 

次はちょっと違った視点から。

日本のセラピストは優秀でMLBなどのメジャースポーツでは多くの日本人マッサージセラピストが活躍しています。

ではマッサージのスポーツに対する効果はどうなんでしょう?

データを見ると、コンプレッションや圧迫、水風呂、アイシングなどと比べてマッサージが一番リカバリー効果が高かったようです。

これには精神的にもリラックスをするという要素も含まれていて、よいリカバリー効果が得られるようです。

ただやはり実際にはマッサージにの効果についての医学的な研究が乏しくそのメカニズムは明白になっていないのが現状ですが、スポーツのパフォーマンスにおいては可動域の向上や筋のテンションや神経的な緊張を緩和させるのは期待できそうな感じです。

そのために日本のプロ野球界では試合前もマッサージを受ける選手もいますが、リカバリーやパフォーマンスという事を考えたら試合後、練習後に受けるのがよいでしょう。

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自分でやっても効果があるのか?

最後にセルフマッサージについて考えてみます。

セルフでやった場合、素人でも効果があるのか疑問を持たれる方はおおいでしょう。また、俗に筋膜リリースと言われるものでセルフマッサージしている方も多いかと思います

まず、以前にも書きましたが、筋膜リリースでは「筋膜」はリリースできません。

これはセルフフォームローラーマッサージ(Self foam rolling massage)です。

筋膜リリースという言葉が誤認と共に独り歩きして、あたかも棒でゴリゴリしたら筋膜という強固なコラーゲン繊維組織が破壊できるかと誤解してしまいますが、筋膜リリースといわれるものは実際は自分で行うただのマッサージです。

 

そのセルフマッサージではお店で受けるマッサージと同じ効果が得られるのでしょうか?

 

セルフマッサージでも可動域の向上や神経の緩和といった効果は期待できます。

またドクターエアのストレッチロールを使ったような振動マッサージはより可動域向上や神経緩和の効果が高いです

 

しかし、ストレスの緩和という観点から調べた研究によると、セルフマッサージではストレス緩和効果は期待できなかったとの事です。

恋人が行うマッサージが一番症状を和らげたという研究があるくらいですから、不快という感覚やストレスの緩和は人の手によるマッサージのほうがいいかもしれません。

昔から「手当て」と言われるように人にやられることは数値化できないような安心感を得られる面があります。

 

結論

体が凝った、疲れたからといって毎回毎回マッサージに行くのは経済的にも負担です。

普段のコンディショニングとしての筋肉の緩和などはセルフでも可能です。

しかしながら、本当に精神的にも疲弊してしまった状態だと自分では解決しきれないので、マッサージ店に駆け込むのも一考かと思います

 

【参考文献】

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5467308/

https://eric.ed.gov/?id=EJ754286

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16162447/

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26396740

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28851924

 

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fphys.2018.00403/full

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15730338

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25435699

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