最近、乗るだけで体幹トレーニングができると評判のドクターエアの振動体幹マシーン。
通販サイトでもランキング上位で、女優やプロアスリート、またセレブも使用しているという触れ込みで話題です。
テレビでも取り上げられていることがありますね
インスタで検索するとすでに買った人がわんさか出てきます。結果を出している人もちらほら。
「実際に売れているようだけど、乗るだけで本当に痩せるの?」と疑問を持たれる方も多くいることでしょう。
以前、振動がもたらすコンディショニングの効果について書きましたが、今回は振動で鍛えたり痩せたりすることはできるのか。
考察してみたいと思います。
*プロ用のパワーブレートのデータはかなりありますが、市販の振動マシーンはまとまった研究がまだなされていないので、あくまで一考察になることははじめにお伝えします。
スポンサードリンク
振動体幹マシーン(3DスーパーブレードS)で何が期待できるのか?
まずこうしたマシーンを購入される方が期待することは
「乗るだけで楽に痩せることができるか?」
これではないでしょうか。
ここから考察していきます。
大原則から言うと、体重の増減というのは
摂取>消費=太る
摂取<消費=痩せる
ということ。
意外にこれを押さえていない方が多いです。
いくら食事を減らしてもまったく動かないような生活だったら痩せにくいですし、活発に運動していても、それ以上に食べてしまっていたら痩せません。
これは前提になります。
ただ、カロリーの消費を増やすと言う視点は重要です。日々のカロリー消費が増えればそれだけ痩せやすくはなります。
ひたすら食事量を減らすようなダイエットは筋肉も細りますし、精神的な疲労も強く続きません。
では、振動体幹マシーンでカロリー消費量はあがるのでしょうか?
いくつかの研究によると振動マシーン上で運動をすると代謝量は上がるようです。
一番多く出ているデータは振動体幹マシーンによって酸素消費量が上がるというものです。
有酸素運動という言葉をご存知かと思いますが、運動によって消費する酸素量が増えるとカロリー消費は上がります。
20分の振動体幹トレーニングをすると、同じ運動の振動無しの状態よりも酸素消費量が20%向上する報告などがあります。
ただ振動体幹マシーンに乗っているだけでも普通に立っているよりも太腿などの個々の筋肉は3~5倍の活動量があるようです。
下が地面で運動するよりは振動マシーンに乗って運動した方が消費カロリーは上がります。
つまり、使い続ける事で脂肪量を減少させ、カロリー消費を上げ体重減少につながるということは言えそうです。
スポンサードリンク
振動マシーンで脂肪は揺れて消える?
次に、脂肪の燃焼効果はどうでしょうか?
お腹についた脂肪ははたして燃えてくれるのか。
振動マシーンでみなさんが考えるのは「肉が揺れるから揺れるたびに脂肪が落ちていく」ということのようですが・・・
「振動して揺れる事で脂肪が燃える」
これは大きな誤解です。
振動したマシーンに乗っても、直接的な脂肪細胞の変化は起きません。
また、 少し前までは振動によってイリシンというホルモンへの影響があるとも言われていました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24814685
イリシンは脂肪燃焼を促進すると言われているホルモンです。
しかし、最近の雑誌natureに出た論文でそのイリシン自体に疑問符が付いています。
https://www.nature.com/articles/srep08889
つまり、振動させたからといって即効で脂肪細胞がなくなるというようなことは幻想だということです。
カロリー消費が増えて代謝が上がるので地面で運動するよりは痩せやすいでしょうが、即時的に脂肪が揺れて燃焼するという事ではなく、運動を継続することでエネルギー消費を増やし痩せてくるというのが考えられることでしょう。
振動マシーンのトレーニング効果はいかに?
振動したマシーン上で運動するのと地面で運動することの大きな違いは、振動することにより地面を「不安定」な状態にすることができる点です。
では不安定な状態は体にどのような影響をあたえるのでしょうか?
不安定な状態では大きなパワーを生み出すことは難しいですが、細かい刺激が入る分、様々な筋肉を活性することができます。
特に、普段使えていないお腹の奥のインナーコアマッスルに振動が入ると、眠っていた筋肉を活性化し鍛える事ができます。これはなかなかうれしい点。
お腹のインナーコアマッスルは鍛えるのが難しく、また鍛えるにしても地味で辛い運動なので敬遠しがちですが、振動体幹マシーンではそれほど辛くなく鍛える事は可能でしょう。
また、体幹部だけでなく太腿やふくらはぎの筋肉にも効果があるようです。
その他には、振動により足の裏に感覚が入ることによりハイヒールや固い靴などで制限されていた足の裏の細かな筋肉にも刺激が入る。 それによって脚全体が安定していく事も考えられます。
(参考文献)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=planter+muscle+whole+body+vibration
姿勢が改善される
また、姿勢の改善効果にも注目したいところ。
振動マシーンに乗ると不安定状態が続くので、その状態を調節するべく脳のセンサーが自動的に働き、バランス機能の調整により姿勢が改善すると研究では報告されています。
振動を入れることにより、細かな感覚とともに筋紡錘と呼ばれる筋肉の伸び縮みを感知するセンサーが反応します。
そのセンサーが脊髄に送られ、適切に筋肉をコントロールして体を安定させます。
さらに、筋紡錘は体の関節各部位に対して「私の関節の位置はここですよー」「私は今こんな姿勢でたっていますよー」というセンサーしても働きます。これは位置覚といいます
筋紡錘がセンサーとして働くことで、振動を感じる細かな神経と共に体をコントロールし、適切な姿勢へと調整をしていきます。
つまり、振動が入ることで脳や体のセンサーが反応し、姿勢の調整を行うというメカニズムがあります
姿勢が良くなることで「見た目」がよくなったり、肩こりや腰痛などが改善する可能性は考えられます。
(参考文献)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23493356 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24160189
スポンサードリンク
振動体幹マシーンで期待できることをまとめると
-
普通に運動するよりカロリー消費があがり効率的なダイエット運動につながる。
-
直接的な脂肪燃焼効果は期待できないが、継続的に行う事で脂肪減少につながる可能性はある。
-
振動で様々な筋肉を活性することにより使われにくい筋肉が鍛えられる=筋力アップ
-
インナーコアマッスルを使う事で、脳の調整が入り姿勢改善や見た目の美しさが期待できる
というところでしょうか
では、どんな方が向いているかと言うと、ジムや激しい運動をしたりするのは苦手で、できるだけ自宅でできることを探している人。
こういった方が、食事をある程度コントロールした上で振動体幹マシーンを継続的に使うと、ダイエットや姿勢改善効果などを狙えます。
特に脂肪がつきやすいのにトレーニングをするのが難しい場所、二の腕や背中、お腹の奥なんかには振動で簡単にアプローチできるので、「ジムに行ってトレーニングするのはちょっと・・」という女性には合っていると思います。
最近は、安価な中国メーカーの物なども出回っているようですが、日本メーカーの信頼性とエクササイズ動画などのサポートが丁寧な点、デザインなどで3Dスーパーブレードが支持されているということのようです。
また、特にマンションだと振動が下の階に伝わったりしないか不安ですが、特典でそういうったことを防ぐヨガマットをつけているのも好評のよう。
以下はドクターエアのオフィシャルのトレーニング紹介動画です。
オフィシャルページでは一日15分ほど行うのを勧めています。
ただ1日15分やらなければいけない!ということではありません。
何もやらないより2,3分でも行う方がよいでしょう。
わずかな時間でも継続すれば結果は目に見えて出てくるかと思います。
注意事項
揺れて気持ち悪くなる。
不安定な状態、振動した状態から体を維持するという事は大きな神経の調整を必要とします。
元々目まい、ふらつきなどの症状がある方は医師の指示に基づいて行うべきでしょう
追記
高振動と言うと最近スポーツ選手が行っているパワープレートを思い浮かべる方も多いでしょう。
http://www.power-plate.co.jp/
しかしながら、こちらのパワープレートのような振動マシーンとドクターエア3Dスーパーブレードなどの振動体幹マシーンは振動数が異なります。
パワープレートはおおよそ32Hzという振動数に対して、振動体幹マシーンはおおよそ17,8Hzという違いがあります。どちらも高振動であることは変わりませんが。
研究などで多く出せれているWhole body vibrationは主にパワープレートなどの研究が多く基本的に振動数は30Hz以上で行われています。
パワープレートでの振動の効果はちゃんとした研究があるので、振動体幹マシーンでも効果はあると推測はできるでしょう。
参考文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25951821
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28323991
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20072068
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22450254
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24879025
この記事へのコメントはありません。